ドゥルガー(Durga)についてメモ。
- ヒンドゥー教における戦いと勝利の女神。
- サンスクリット語で「近づきがたい者」「無敵」という意味。
- 美しい女性の姿をしながらも、10本(または18本)の腕を持ち、それぞれの手に神々から授かった強力な武器を握り、虎やライオンに跨って戦う。
- シヴァ神の穏やかな妃であるパールヴァティーの「荒ぶる側面」が具現化した姿とも言われている。
【神話① 水牛の悪魔「マヒシャースラ」の討伐(最も有名な神話)】
ドゥルガーを語る上で欠かせないのが、この「マヒシャースラ・マルディニー(マヒシャを打ち倒す者)」としての神話。
水牛の姿をした悪魔(アスラ神族。仏教で阿修羅)のマヒシャは、デーヴァ神族である創造神ブラフマー(梵天)から「神々や人間(男)には決して殺されない」という無敵の特権を得た。彼はその力でデーヴァ神族の王であるインドラ(帝釈天)を打ち破ってデーヴァ神族を追放、天界を征服した。
絶望した神々(シヴァ、ヴィシュヌ、ブラフマーなど)が怒りを爆発させると、その怒りのエネルギーが一つに融合し、まばゆい光の中から美しい女神ドゥルガーが誕生。彼女は「男」ではないため、マヒシャを倒すことができる唯一の存在だった。
神々は自分の最強の武器を彼女に託した(シヴァからは三叉槍、ヴィシュヌからは円盤チャクラム、風神からは弓矢など)。
虎(またはライオン)に乗ったドゥルガーは、姿を次々と変えるマヒシャと9日間にも及ぶ激戦を繰り広げます。最後は彼が本来の水牛の姿に戻ったところを槍で突き刺し、首を切り落として見事勝利を収めた。
【神話② 黒き女神「カーリー」の誕生とラクタヴィージャ戦】
別の悪魔の軍勢と戦っていた時のこと。敵軍にはラクタヴィージャ(血の種)という悪魔がいた。彼は、流した血の一滴一滴から自らの分身を生み出すという非常に厄介な能力を持っていた。
倒しても倒しても増える悪魔に対し、ドゥルガーの怒りは頂点に。すると彼女の眉間から、真っ黒な肌を持つ恐ろしい女神カーリーが飛び出した。カーリーはラクタヴィージャの首を切り裂き、血が地面に落ちる前にその長い舌ですべて飲み干すことで分身の増殖を防ぎ、見事悪魔を殲滅した。
【ネパール最大のお祭り「ダサイン(Dashain)」】
ネパールには「ダサイン」という1年で最も重要で盛大なお祭りがある(通常9月〜10月頃)。ドゥルガー女神が9日間の戦いの末に悪魔マヒシャースラに勝利したことを祝うお祭り。
ネパールの人々は、この祭りの期間中に実家に帰り、年長者から祝福の印(ティカ)を額につけてもらい、ドゥルガーに祈りを捧げて家族の結束と健康を願う。
ドゥルガーは「悪を滅ぼし、正義を守る」圧倒的な強さの象徴のため、子どもにこの名前をつけることで以下のような願いを込める。
「あらゆる困難や災いから身を守ってほしい」
「力強く、困難に打ち勝つ無敵の存在になってほしい」
インドでは「ドゥルガー」はほぼ完全に女性の名前として使われるが、ネパールでは男性の名前としても非常に一般的。これは、女神の強力なご加護と力強さを男性にも与えたいという、ネパール独自の文化的な表れ。
【ネパールにおける「クマリ」(生き神様)】
クマリは、ネパール王室の守護神である「タレジュ女神」が人間の少女の肉体に宿った存在だと信じられている。このタレジュ女神が「ドゥルガー」の化身(同一視)。国王(現在は大統領)でさえ、クマリの前にひざまずき、その祝福を受ける。
クマリはヒンドゥー教の女神の化身であるにも関わらず、選ばれる少女は仏教徒(ネワール族)のコミュニティから出ている。(宗教の壁を越えた「平和と統合」の象徴)
人々がクマリにひれ伏すのは、彼女たちが人間離れした厳しい条件をクリアして選ばれているから。(32の身体的特徴、恐怖への耐性などで女神が宿ったと認識される)
クマリは、初潮を迎えるか、ケガなどで大量の血を流すと「女神が体内から去った」とされ、生き神様を引退して普通の少女に戻る。
【ドゥルガーの息子である「ガネーシャ(象頭の神、聖天)」】
ヒンドゥー教全体に言えるが、ネパールでもガネーシャは「障害を取り除く神(ヴィグネーシュヴァラ)」として絶対的な地位を確立している。ネパールの人々は、何か新しいことを始める際、必ず最初にガネーシャに祈る。(長距離の旅行に出かける前、新しいビジネスやお店を始める時、重要な試験の前)
さらには、他の神様のお祭りを始める時でさえ、まずはガネーシャに挨拶をしてからでないと本番が始まらない。
クマリとの共通点として、ガネーシャも仏教徒(特にカトマンズ盆地のネワール族)から深く信仰されてる。ガネーシャは「歓喜天(カンギテン)」として知られるが、ネパールの仏教徒は彼を「強力な守護神」や「富をもたらす神」として、ヒンドゥー教徒と同じ寺院で肩を並べて祈りを捧げる。この「誰もが自分の生活の守護者として拝むことができる」包容力こそが、ネパールにおけるガネーシャの最大の特徴。
ガネーシャは、ネパール最大の祭りである「インドラ・ジャトラ」において、生き神様クマリと直接的な関わりを持つ。このお祭りでは、クマリを乗せた巨大な山車がカトマンズの街を練り歩くが、ガネーシャと、シヴァ神の化身バイラブを体現した2人の少年の山車が、クマリの山車を先導し、護衛するように一緒に巡行する。母(ドゥルガー)のお祭りを息子(ガネーシャ)が先陣を切ってサポートという神話そのままの光景。
ネパールの首都カトマンズ盆地には「四大ガネーシャ(チャル・ガネーシュ)」と呼ばれる特に強力な4つの寺院があり、常に参拝者でごった返している。ネパールでは「火曜日」がガネーシャの日とされており、火曜日の朝、カトマンズの街を歩くと、数え切れないほどの小さなガネーシャの祠に、人々が赤いティカ(祈りの粉)や花、お菓子を供えている光景を見ることができる。
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ドゥルガー(女神、インドラ≒天若彦)とアスラ(男神、国常立尊)の戦い。
→日本で言えば、縄文(先住系)と弥生みたいな感じ?
ドゥルガーと、息子であるガネーシャ(聖天)は一心同体。
→おそらく出雲神族も関連してる?(サルタヒコ)
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